型番:
商品名 |
コンピュータビジョン 最先端ガイド4 − CVIMチュートリアルシリーズ − −Computational Photography, Image Noise
Analysis, Optics, Coded Imaging, Reflectance & Scattering, Color ― |
編 |
八木 康史・斎藤 英雄 |
著 |
高松 淳,日浦 慎作,長原 一,富永 昌治,向川 康博 |
ISBN |
978-4-915851-43-8 |
判型 |
B5、156頁 |
概要
情報処理学会CVIM 研究会では,2006 年末からコンピュータビジョン分野における最新理論・アルゴリズムについて,「チュートリアルシリーズ」を企画してきた。本書は,CVIM チュートリアルシリーズ最先端ガイド第4 弾として,第16回から第20回までの講演内容に加筆修正し,5 章構成でまとめたものである。この第4弾では,光の物理法則を考慮し,画像の明るさ・色に着目した処理である,Physics Based ComputerVision に関連したトピックを取り上げた。
まず,高松淳氏に,カメラが対象シーンを画像化するプロセスと,そのプロセスにおける画像ノイズの統計的性質と,それを利用した色々な情報推定手法を解説していただいた。次に,画像が撮像される光学的プロセスの一部を計算処理に置き換えることにより,通常のカメラでは得られないような画像を合成する手法として近年注目を集めているコンピュテーショナルフォトグラフィについて,その理解のための光学系の解説を日浦慎作氏にお願いした。さらに,長原一氏には,コンピュテーショナルフォトグラフィの一つの実現例として,符号化パターンを光学系に挿入することによる新しい撮像方式について解説していただいた。さらに,富永昌治氏には,画像を生成している光そのものの物理的性質の一つである,光の分光特性に着目し,人間の色知覚といった心理的物理量を考慮しながら,光と色の計測と表現のための手法について解説いただいた。また,光の反射・散乱といった光の空間的伝搬に関する物理現象について,その計測手法とモデル化手法の解説を向川康博氏にお願いした。
これらの光の物理現象に着目した理論・手法は,従来から研究が進んでいるカメラの幾何的な側面に着目した技術と共に,新たなコンピュータビジョン研究の潮流を生み出す基盤技術であり,これらを解説した本書は,これまでのCVIM チュートリアルシリーズ最先端ガイドと同様,少なくとも10 年,専門書として役に立つものと確信している。編集に当っては,すべての原稿を大阪大学ならびに慶應義塾大学の大学院生に査読してもらうことで,情報系学部生レベルに合わせた書籍を目指した。本書編集に当たり,査読をしてくれた下記の大阪大学ならびに慶應義塾大学の大学院生に深く感謝の意を表したい。
大阪大学:岩間晴之,田川聖一,阪下和弘,赤江直樹,井下智加,森口翔生,川合諒
白神康平,高谷剛志,中島秀真
慶應義塾大学:小山田雄仁,井上卓也,氏原拓也,後藤道彦,中村隆之,橋本昂宗,林智紀
渡邉隼人,椎野寛進,小林将
2011年11月22日
編者
八木 康史,斎藤 英雄
目次
第1章 「画像化プロセスと画像ノイズ」高松淳(奈良先端科学技術大学院大学)
1. はじめに
2. 前知識
3. 画像化プロセス
4. 画像化プロセスと画像ノイズ
5. 画像ノイズの計測
6. 画像化プロセス・画像ノイズの利用
7. 画像ノイズとノルム
8. まとめと今後の課題
第2章 「コンピュテーショナルフォトグラフィ理解のための光学系入門」日浦慎作(広島市立大学)
1. はじめに
2. レンズ
3. 光線の表現とカメラの働き
4. 応用例
5. ライトフィールドの特性と解析
6. まとめ
第3章 「符号化撮像」長原 一(九州大学)
1. はじめに
2. ぼけ関数の符号化
3. 絞りによる符号化
4. レンズなどを用いた符号化
5. モーションブラー復元のための符号化
6. デコンボリューション
7. おわりに
第4章 「光と色の計測と表現-コンピュータビジョンの観点から-」永昌治(千葉大学)
1. はじめに
2. 光源の特性
3. 物体表面の特性
4. 分光画像情報の獲得
5. 人間の視覚系の特性
6. 表色のためのカラーオーダーシステム
7. 色の数量化と測色原理
8. 均等色空間と色差
9. 色名による表色
10. カラー画像の表示
11. おわりに
第5章 「反射・散乱の計測とモデル化」向川康博(大阪大学)
1. はじめに
2. 光の物理量と伝播
3. 反射特性のモデル
4. 反射特性の計測
5. 散乱特性のモデル
6. 散乱特性の計測
7. POV-Ray
8. 書籍
9. まとめ