型番:
商品名 |
コンピュータビジョン 最先端ガイド5 − CVIMチュートリアルシリーズ − |
編 |
八木 康史・斎藤 英雄 |
著 |
松下康之,古川泰隆,川崎洋,古川 亮,佐川立昌 |
ISBN |
978-4-915851-47-6 |
判型 |
B5、97頁 |
概要
情報処理学会CVIM研究会では、2006年末からコンピュータビジョン分野における最新理論・アルゴリズムについて、「チュートリアルシリーズ」を企画してきた。本書は、CVIMチュートリアルシリーズ最先端ガイド第5弾として、第21回から第23回までの講演内容に加筆修正し3章構成でまとめたものである。
この第5弾では、シーンや物体の3次元構造・形状復元技術を取り上げた。これらは、コンピュータビジョン分野では古くから研究されているトピックでありながら、現在でもこれらの技術に対する期待や応用分野は広がっており、その一方で研究課題も多く残されている。
第1章では、異なる照明環境で撮影された複数枚の画像から3次元形状復元するための技術であるフォトメトリックステレオを取り上げた。1970年代から研究が行われているテーマであるが、その適用範囲を拡大するための研究が盛んであり、松下康之氏にその基礎から最新研究まで解説して頂いた。
第2章では、複数の異なる視点から撮影された複数枚の画像から3次元形状を復元する技術である多視点ステレオを取り上げた。1990年代から研究が盛んになり、近年は極めて高精細な3次元形状復元や、インターネット上にある大量の画像から建物や街自体の3次元形状復元までもが可能になってきた。その動向や事例・実装のためのソフトウエアを古川泰隆氏に紹介頂いた。
第3章では、構造化光パターンを対象シーンに照射して得られる画像から3次元復元を行う手法について取り上げた。これもコンピュータビジョン、特にロボットビジョンの分野で盛んに研究されてきたものであるが、高精細・高速な形状計測を可能にする技術や、その新たな応用に関してで近年優れた研究を展開している川崎洋氏、古川 亮氏、佐川立昌氏の共著で解説をお願いした。
ここで紹介した3つの3次元形状復元手法は、基本的な原理そのものは古くから提案されているが、近年の研究の進展は目覚ましいものがあり、その最新手法を本書により学ぶことができる。本書は、これまでのCVIMチュートリアルシリーズ最先端ガイドと同様、少なくとも10年、専門書として役に立つものと確信している。
編集に当っては、すべての原稿を大阪大学ならびに慶應義塾大学の大学院生に査読してもらうことで、情報系学部生レベルに合わせた書籍を目指した。本書編集に当たり、査読をしてくれた下記の大阪大学ならびに慶應義塾大学の大学院生に深く感謝の意を表したい。
大阪大学:岩間 晴之、上村 拓矢、赤江 直樹、川合 諒、白神 康平、田中 賢一郎
慶應義塾大学:皆川 卓也、原 豪紀、清水 直樹、廣瀬 圭佑、遠藤 弘樹
2012年11月20日
編者
八木康史、斎藤英雄
目次
第1章 照度差ステレオ松下康之(マイクロソフト アジア)
1. はじめに
2. 陰影からの形状復元
3. ランバート拡散反射面に対する照度差ステレオ
4. 非ランバート拡散反射に対する照度差ステレオ
5. 未較正照度差ステレオ
6. 法線からの3 次元形状の推定
7. シーン撮影時の注意
8. 今後の展開
A ラジオメトリとフォトメトリの基礎
B BRDF and Lambertian reflectance
第2章 複数画像からの三次元復元手法古川泰隆(Google Inc.)
1. はじめに
2. システム概要と構築上の注意点
3. 多眼ステレオ(Multi-View Stereo)
4. むすび
第3章 構造化光を用いたアクティブ3 次元計測の原理と展開川崎洋(鹿児島大学),古川 亮(広島市立大学),佐川立昌(産業技術総合研究所)
1. はじめに
2. プロジェクタ・カメラ系の校正
3. 対応点問題およびその解決方法による分類
4. 今後の展開
5. おわりに