型番:
商品名 |
コンピュータビジョン 最先端ガイド6 − CVIMチュートリアルシリーズ −
Volumetric Imaging, Geometric Computation,Sparse Representation, Deep Learning |
編 |
八木康史,斎藤英雄 |
著 |
藤代一成,高橋成雄,竹島由里子,金谷健一,日野英逸,村田 昇,岡谷貴之,斎藤真樹 |
判型 |
B5、125頁 |
概要
情報処理学会CVIM 研究会では,2006年末からコンピュータビジョン分野における最新理論・アルゴリズムについて,「チュートリアルシリーズ」を企画してきた。本書は,CVIM チュートリアルシリーズ最先端ガイド第6弾として,CVIM 研究会で行われた講演内容に加筆修正し,最新の内容として4章構成でまとめたものである。
この第6弾では,数理的手法をコンピュータビジョン分野に利用し,新たな可能性を開拓していることで近年話題となっている方法論についてスポットを当てた。
第1章では,3次元空間の体積分布データを2次元のディスプレイで画像表現するための方法論を取り上げた。コンピュータビジョンのメイントピックの一つである3次元復元等により得られる3次元ボリュームデータを効果的に可視化する技術の重要性は極めて高く,より高次元データの可視化へも応用可能である。ここでは,科学的可視化研究の第一人者である藤代氏,高橋氏,竹島氏に,微分位相特徴に基づくボリュームデータの可視化技術について解説して頂いた。
第2章では,幾何学的推定のための最適化のための方法論について,長い間世界を代表する研究成果を挙げて来られた金谷氏に,幾何学的推定問題の本質からその理論,さらに実施例に渡るまで詳細なチュートリアルをして頂いた。幾何学的推定は,コンピュータビジョンにおいて最も重要な技術の一つであり,この問題を解くための数理的思考・方法論は,多くの問題解決の基盤として有用な技術である。
第3章では,生物の一次視覚野の情報処理の数理モデルをベースに,少数の基底画像で画像をモデル表現するスパース表現を取り上げ,機械学習の分野を中心に,近年優れた研究業績を挙げて来られている村田氏,日野氏に解説して頂いた。ここでは,スパース表現の確率モデルにより統一的に説明することにより,スパースコーディングを始めとする種々の行列分解手法の数理的側面が理解しやすく説明されている。また。スパースコーディングの代表的なアルゴリズムと幾つかの応用が,そのソースコードと共に具体的に紹介されている。
第4章では,多層のニューラルネットワークを用いた機械学習の方法論であるディープラーニングについて,岡谷氏,斎藤氏に解説頂いた。ディープラーニングは,画像認識の多くのベンチマークの記録を塗り替えていることから,近年話題になっている技術であり,今後のコンピュータビジョンへ更に広がっていくことも予想される重要なトピックである。
今回の第6弾でも,最新の方法論について基礎から丁寧に解説して頂いており,これまでのCVIM チュートリアルシリーズ最先端ガイドと同様,少なくとも10年,専門書として役に立つものと確信している。
編集に当っては,すべての原稿を大阪大学ならびに慶應義塾大学の大学院生や若手研究者に査読してもらうことで,情報系学部生レベルに合わせた書籍を目指した。本書編集に当たり,査読をしてくれた下記の大阪大学ならびに慶應義塾大学の関係者に深く感謝の意を表したい。
大阪大学:田川聖一,阪下和弘,柳川由紀子,田中賢一郎,廖若辰
慶應義塾大学:小山田雄仁(現在,早稲田大学),玉城 将,皆川卓也
2013年11月20日
編者
八木 康史,斎藤 英雄
目次
第1章 微分位相特徴に基づくボリュームイメージング藤代一成,高橋成雄,竹島由里子
- まえがき
- 微分位相特徴強調型ボリュームレンダリング
- 多次元伝達関数設計
- あとがき
第2章 幾何学的推定のための最適化手法:最小化を越えて金谷健一
- はじめに
- 背景
- 最小化に基づく方法
- 最小化に基づかない方法
- 実験例
- まとめ
第3章 スパース表現の数理とその応用日野英逸,村田昇
- はじめに
- 画像の生成モデル
- スパースコーディングの定式化
- 行列分解としての理解
- 確率モデルとしての理解
- スパースコーディングのための係数選択手法
- スパースコーディングのための基底学習手法
- 画像処理への応用
- 終わりに
第4章 ディープラーニング岡谷貴之,齋藤真樹
- はじめに
- ネットワークのアーキテクチャ
- 多層NNの教師なし学習
- 生成モデルに対するディープラーニング
- ソフトウェア
- おわりに